利用規約の変更
ケース
(登場人物) X部長:A社のネット事業開発部長 Yさん:X部長の部下
| X |
「無事に新サイトがオープンして3ヶ月たった。来月に追加される新サービスの準備はどうだ?」 |
| Y |
「バッチリです。新サービスではポイント機能が加わります。その点に関する利用規約は,サービス開始と同時に変更できる準備も整いました。」 |
| X |
「新規会員はともかく,既存会員の同意もなく勝手に利用規約を変更したらまずいんじゃないか?」 |
|
ネットビジネスでは,このケースのように,サービスが順次追加されることがよくあります。
その結果,利用規約の内容を変更しなければならない場合もあるでしょう。
しかし,利用規約も契約ですから,
両当事者の合意がない限り変更できないのが原則です。
しかし,変更するために,すべての利用者との間で変更後の利用規約の内容に同時に同意を得るのは現実的ではありません。
そこで,利用規約の変更について,事前に包括的に同意を得た上,必要に応じて変更できるようにしておく方法が考えられます(下記例参照)。
第○条 利用規約の変更 当社は,本規約をいつでも変更できるものとし,本規約の定めに沿って会員に対して,これを通知した時点より効力が生じるものとします。 |
ただし,この規定さえあれば
無制限に変更できるわけではないことに注意が必要です。
変更前後の利用規約がまったく異なる内容になっていたり,利用者に対して不利益になるような内容変更は合理性がないとして無効になるおそれがあります。
今回のケースのように,あらかじめ利用規約の変更条項を盛り込んでいない場合には,新サービス導入後,初回のログイン時に,利用規約の変更に関して同意を求める画面を表示させるなどの対応が必要になるでしょう。
そのような手間をできるだけ回避するためにも,サービスの設計段階では,
利用規約の内容に至るまで将来の拡張や不測の事態を見越して定めておく必要があるのです。
ポイント 利用規約は,事業者が一方的に変更できないのが原則である。ただし,一定の範囲内の変更であれば,個別の同意を必要としないような利用規約の定め方もある