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ガチャに関する問題



Q オンラインゲームにおいて,コンプガチャは禁止であるという話題がありましたが,コンプガチャではない通常のガチャを実施する場合には問題はないのでしょうか。
A コンプガチャに該当しない場合は,ガチャによるアイテム提供自体については,景品表示法の規制は受けません。ただし,ガチャの設計内容によっては,景品表示法の規制を受ける可能性もあり,また,全面的に禁止されているカード合わせ(コンプガチャ)に該当する可能性もあるため,個別の事情に応じた確認が必要です。


オンラインゲームにおいては,いわゆる「ガチャ」と呼ばれるアイテム提供の仕組みが用いられていることが多くあります。アイテムとしては,ゲーム上で敵と対戦するためのキャラクターや,アバターを着飾るためのアイテム等,様々なものが提供されています。

有料のガチャによってアイテム等を提供し,それらの組合せを完成させることによってさらにレアアイテムを提供するような,いわゆる「コンプガチャ」については,景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)において全面的に禁止されている「カード合わせ」に該当することが明確化されました。(「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準の平成24年6月28日付改正)

では,コンプガチャではなく,有料ガチャ単体については,景品表示法上の問題はないのでしょうか。

この点,平成25年1月9日に出された消費者庁の「インターネット上の取引と『カード合わせ』に関するQ&A」においても,有料ガチャにより得られるアイテム等は,一般消費者と事業者との間の取引の対象そのものであるため,景品表示法上の規制は及ばないことが明確に述べられており,有料ガチャ単体では,景品表示法上の規制を受けないのが原則です。

もっとも,有料ガチャにも様々な形態があり,「一般消費者と事業者との間の取引の対象そのもの」と評価できるかは個別の事情によって異なると思われるため,それぞれの形態ごとの検討が必要となるものと思われます。また,有料ガチャの方法や,他のイベントとの組合せによっては,コンプガチャとの線引きが難しいものもあるかと思われます。

また,従来,オンラインゲームにおけるアイテム等については,「経済上の利益」に該当せず,景品表示法の規制対象である「景品類」に該当しないのではないかとの議論も一応あったところではありますが,上記Q&Aにおいて,アイテム等についても,「経済上の利益」に該当することが明記されるに至り,アイテム等が「経済上の利益」に該当しないという論拠による景品表示法の規制回避は難しいものと考えます。


他方,無料ガチャについては,どうでしょうか。

ゲームのプレイ自体も無料,ガチャも無料,有料でのアイテム販売等が一切なし,ということであれば,「取引」が存在せず,景品表示法に基づく規制を受けることはありません。
ガチャ自体は無料で,月額課金制でゲームが運営されている場合についても,ガチャによるアイテム提供や,ガチャにより得られるアイテムの組合せによるレアアイテムの提供も含めて,ゲームの提供自体が,取引の対象そのものと評価されるため,景品表示法に基づく規制を受ける可能性は低いと考えられます。ただし,無料ガチャで提供されるアイテムについて,有料アイテムを購入することによりアイテムを獲得できる可能性があがる等の仕組みが用いられている場合においては,景品表示法に基づく規制を受ける可能性もありますので,注意が必要です。


(弁護士 久礼 美紀子 H25.7.4)
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